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2006-09-11

グエムル 漢江の怪物@新宿東亜興行チェーン

傑作。今年見たものの中では間違いなくNo.1であり、恐らくこれ以上の作品は無いのではないかとも思う。凄すぎて考えがまとまらない。

ポン・ジュノは一貫して韓国の現代史を丹念に紐解き、そこに忌避されていたおぞましいものの姿を浮かび上がらせてきた。今回彼が取り上げるのは90年代から現代にかけてのソウルなのだが、陽光の下にあられもなく姿を現せる怪獣を巡って、幾重にも折り重なった暴力が顕在化されていく。80年代を取り上げた「殺人の追憶」での可視化装置が連続殺人者であり、今回の作品が怪獣であるという選択に驚かされる。そして怪獣はきっと、彼-我の閾に表れるものなのだろう。
典型的な現代家族を裏返したような主人公達の姿と、「殺人の追憶」のような暗いメランコリーではなく、痛みの中に希望を感じさせるエンディングも素晴らしい。

あと一言だけ。歌舞伎町の東亜で見ることをお勧めする。場所柄コリアンの客が多く、反応がビビットです。


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